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コレクション概要

多摩美術大学美術館のコレクションについて

多摩美術大学美術館のコレクション(収蔵作品)は、その歴史とともに形成されてきました。それらは、大きくは4つに分類できます。(当館にはコレクションの常設展示スペースはありません。収蔵作品は不定期開催の「コレクション展」などで公開しております)


古美術・考古学資料

本学創設に携わり、工芸史を担当された大隅為三(1881-1961)によって形成された、エジプト、西アジア、ギリシア、ローマ、朝鮮、中国、東南アジア、北中南米、日本などの古美術・考古学・民族資料によるコレクション。故村田晴彦理事長の「新しい美術を志す場には目の訓練のために本物の美術品がなければならない」という考えから、かつて上野毛キャンパスにあった「附属美術参考資料室」に展示されていました。

本学教員を勤めた作家および資料によるコレクション

退職記念展から選ばれたものを中心とした本学教員を勤めた作家の作品を所蔵しています。作家は以下のとおりです。杉浦非水(図案科現グラフィックデザイン学科、多摩帝国美術学校初代校長)、円鍔勝三、笠置季男、寒川典美、建畠覚造、西常雄、早川巍一郎、舟越保武(以上、彫刻学科)、川端実、瀬島好正、田中稔之、福沢一郎、牧野虎雄、若林奮(以上絵画科油画専攻)、新井勝利、郷倉千靭、上野泰郎、加山又造、横山操(以上絵画科日本画専攻)、小作青史、深澤幸雄、森野真弓、渡辺達正(以上絵画学科版画専攻)、毛綱毅曠(環境デザイン学科)、わたなべひろこ(生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻)ほか。

版画コレクション

本学主催の国際公募展「東京国際ミニプリント・トリエンナーレ」(1995-)出品作を含む、版画のコレクションです。アール・ヌーボー期のフランスオペラ・ポスターコレクション(リトグラフ)、ヴィクトル・ヴァザルリ、カール・コーラップ、ベルナール・ビュフェ、ベン・シャーン(素描を含む)、ヨゼフ・アルバース、ジョルジュ・ルオー、大宮政郎、武田秀雄等の現代版画の作品が挙げられます。また2010年に精神科医師の浜田晋氏(1926-2010)の駒井哲郎、李禹煥などの作品を含む556点におよぶ版画コレクションをご寄贈いただきました。

本館企画展から派生したコレクション

本館では、絵画・彫刻などのいわゆるファインアートにとどまらず、デザイン、パフォーミングアート、サウンドアート、工芸、建築、映像、民族芸術等、美術大学の多様な試みを反映した、実験的、多角的なアートの紹介、探究として、展覧会を企画・運営しています。展覧会に出展された作品の一部が収蔵され、コレクションを形成しています。岡村吉右衛門(染織)、川田喜久治(写真)、佐藤慶次郎(キネティックオブジェ、サウンドアート)、富山芳男(油彩)などの作品群、白石顕二アフリカコレクションが挙げられます。


参考文献

  • 『多摩美術大学50年史』多摩美術大学、1986年
  • 『多摩美術大学の80年 年表1935-2015』学校法人多摩美術大学、2015年