20世紀後半繊維素材は用の目的に使われるのみでなく、自立した表現の分野にも進出してきました。この展覧会のタイトル〈意向する繊維〉とは、自由にそれぞれの立場から繊維素材を通して造形表現を追求している仕事師達に、その仕事の意向(意味)を問いかけると共に今後も意志を得た繊維が、無限の可能性に立ち向かって行く意味合いをこめたものです。本展は、この半世紀の時の流れの中で懸命に自らの創作表現を追求してきた多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻を中心とした卒業生の仕事の一端をあらわすものです。それぞれの仕事を時々の波動として捉え、未来に繋げることができたらと思います。
[出品作家]
赤井良行/弥永保子/大西房子/小川泰生/柏木 弘/桂川幸助/金井良子/川井由夏/川瀬和子/神田倫臣/菊地加代子/小林瑠璃/佐伯道子/清水義夫/鄭 暁紅/高瀬ゆり/高橋士郎・高橋 正/田中孝明/辻けい/椿 操/長沢桂一/西義之/原すがね/檜垣檀/深尾雅子/福岡裕子/松尾大吾/三宅一生・藤原 大/山岸柾史/山中良子/李 粉善/わたなべひろこ