現代のクラフトデザイン界にあって、髙木晃は、東京芸術大学を卒業後48年の歳月、食のための器、家具、インテリアデザインなどに木と漆を髙木晃の仕事にみられる特性は、常に身近な自然から出発しています。自然との共生の中で生まれた木や漆素材の様々な表情や絵画的表現の巾の広さであります。漆の最大の特徴は有機的素材を用いた肌合いであります。あまり色を用いずに黒と朱といった単純な色彩で芸術的表現効果を発揮することができるのも大きな魅力です。人々との人間関係の優しさや、親しみの深さもこの人独自のものでしょう。
数多い髙木晃のデザイン・作品を選りすぐり、約200点を展観します。これまでの制作を回顧しながら、芸術と生活ということを考える機会となれば幸いです。