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建築家 今井兼次の世界


会期   2005年7月22日(金)-9月4日(日)
休館日  火曜日

主催   多摩美術大学



2022/12/22

展覧会 / 開催終了

建築家 今井兼次の世界



今井兼次は、早稲田大学旧図書館をはじめ東京地下鉄銀座線(上野―浅草間各駅)、岸田國士山荘、多摩帝国美術学校、日本中学校、碌山美術館、大多喜町庁舎、日本26聖人殉教記念館、桃華楽堂(香淳皇后還暦記念ホール)、遠山記念館など優れた建築作品を設計、わが国のモダニズム建築の流れから離れたところで独自の内面的な世界を築いた建築家であるとともに、エストベリ、ガウディ、シュタイナーらをいち早く日本に紹介したことでも知られています。 また早稲田大学、日本美術学校、帝国美術学校(現武蔵野美術大学)、多摩帝国美術学校(多摩美術大学の前身)、多摩美術大学、関東学院大学、浅野学園(現浅野工学専門学校)、文化学院などで教鞭をとり、教育者としても大きな足跡を残しました。 建築のエスキースやドローイング、スケッチ、模型など、現在遺された膨大な資料はいずれも精神性が高く、豊かな芸術性を示し、時代を超えて観る者を感動させています。今井兼次が建築・彫刻・絵画に注ぎ込んだ情熱は多くの人の目に触れることによってさらに輝きを増すでしょう。
多摩帝国美術学校は1935年(昭和10)に開校しましたが、今井兼次はその創立メンバーであり、瀟洒な片流れ屋根の校舎を設計しました。 教育においても並々ならぬ情熱をそそいだ今井の交友関係は、学生や教員の分け隔てなく、広く深く親密なものでした。 そこから建築プロジェクトが生まれ、航空記念碑、野口英世博士記念像設計案、世界平和記念広島カトリック聖堂レリーフ、大多喜町庁舎、日本26聖人殉教記念館、桃華楽堂(香淳皇后還暦記念ホール)などにおいても多摩帝国美術学校との交流から発したコラボレーションが見られます。 これら多摩帝国美術学校を舞台にしたさまざまな資料を展示することでも、新たな今井兼次像が立ち現れてくるでしょう。




[関連イベント]
■講演会
「今井建築の魅力」
講師 川添登(建築評論家)
日時 7月23日(土)14:00-16:00

「今井兼次・人と作品」
講師 上松佑二(東海大学工学部建築学科教授)
日時 7月30日(土)14:00-16:00

会場 多目的室
参加無料 当日受付

■ギャラリートーク
当館学芸員による展示ガイド
日程 会期中の土曜日(但し、7月23日、30日を除く)
時間 14:00ー15:00
参加無料、当日受付


今井兼次(いまい・けんじ)
1895年(明治28)東京青山に生まれる。
1919年(大正8)早稲田大学理工科建築科卒業、同大学助教授就任。
1935年(昭和10)多摩帝国美術学校教授就任。
1938年(昭和13)早稲田大学教授就任。
1965年(昭和40)同大学名誉教授。
1966年(昭和41)関東学院大学大学院教授就任。
1978年(昭和53)日本芸術院会員。
1987年(昭和62)5月逝去(享年92歳)。
代表作に早大図書館、航空記念碑、碌山美術館、大多喜町庁舎、日本26聖人殉教記念館、桃華楽堂(香淳皇后還暦記念ホール)、大隈記念館、遠山記念館などがある。1960、63年(昭和35、38)日本建築学会賞、1962年(昭和37)早大大隈記念学術褒賞、1966年(昭和41)日本芸術院賞、1977年(昭和52)日本建築学会大賞などを受賞。