40代はじめに宮崎進先生から「多摩美にこないか」とおさそいを受け、そのまま定年迄居ついてしまった。
私は無口で人見知りするタイプだが、若い学生たちと話し合うのはきらいではない。多摩美の元気な学生達から新鮮な感覚とエネルギーを感じた事も多い。ふりかえると人生は長いようにも、短いようにも思える。生きていることはすばらしいことだが、絶望したくなる程、哀しいものでもある。
時の流れの無常感は常に感じている。人間は巨大な宇宙にも思いをめぐらす英知を持ちながら、反面破戒を好む、つまらない精神も合わせ持っている。
この地球に於けるヒト科の動物とは、何なのだろうとの思いが、良きにつけ、悪しきにつけ私の絵を描くエネルギーになっているような気がする。
相笠昌義
[同時開催]
竹尾ポスターコレクション・ベストセレクション08
電子時代のグラフィックデザイン2 -ニュー・ウェイブの展開-