
彫刻学科の石井厚生教授の退職記念展を兼ねた現代彫刻作品展。多摩美術大学彫刻学科の特徴的な活動を担ってきた諸材コース出身の作家の作品を併せて紹介します。
石井厚生は、多摩美術大学で建畠覚造(1919ー2006)の薫陶を受け、1960年代から作品発表を始めました。初期の金属作品や1980年代以降の石彫を経て、2000年代に入るとレンガを素材として採用します。2002年に第23回中原悌二郎賞優秀賞受賞、2005年に第12回本郷新賞を受賞、2009年には三重県立美術館-柳原義達記念館での個展を開催するなど、彫刻芸術の根源を追究する石井の強い意志と作品は高く評価されています。
今回の展覧会では、石井の近年~最新作品を展示しますが、それに加えて非常勤講師として多摩美術大学に勤め始めた1975年から現在に至るまでの35年間に指導した、池ケ谷肇、小泉俊己、笠原恵実子、吉田哲也、磯崎道佳、鳥光桃代など、時代と共に変化し、展開していく彫刻表現の可能性を追求している、主に諸材料専攻(※)卒業生28組(29名)の作品と共に展示いたします。それにより、時代を拓く彫刻家、そして教育者としての石井厚生が追い求めてきた世界観をご覧いただく展覧会となるでしょう。
※諸材料専攻とは1975年当時の彫刻科にはまだなかった専攻として、時代に敏感で従来の彫刻素材にこだわらず、彫刻の枠に納まりきらない表現をする学生達を集め、石井厚生が創設した多摩美術大学彫刻学科独自の専攻です。(2008年からは諸材料実習室と名称を変更している。)
[出品作家]
秋元珠江、池ケ谷肇、石井厚生、磯崎道佳、市川武史、岩崎奈々、大谷俊一、小野博、笠原恵実子、金賢鎬、小泉俊己、小林耕二郎、後藤智、齊藤潤一、塩津淳司、柴田芳作、高田安規子・政子、鳥光桃代、長塚秀人、本間純、森哲弥、諸泉茂、吉川陽一郎、横溝美由紀、吉田朗、吉田哲也、米原昌郎、Linda Dennis
(計28組、29名)
石井厚生(いしい・あつお)
1940年 千葉県大原に生まれる
1964年 多摩美術大学彫刻科卒業 行動美術展出品(以後毎年出品、'03、'09不出品)
1965年 第20回行動美術賞受賞
1982年 第8回神戸須磨離宮公園賞受賞
1997年 第4回緑の彫刻賞受賞
2002年 第23回中原悌二郎賞優秀賞受賞
2003年 第13回長野市野外彫刻賞受賞
2005年 第12回本郷新賞受賞
[主な個展]
1990年 ギャラリーせいほう、東京('90、'92、'99、'07)
1985年 愛宕山画廊、東京('85、'90、'95)
2004年 ギャラリー山口、東京('10)
2005年 「本郷新賞記念展」札幌彫刻美術館、北海道
2009年 「石井厚生レンガ彫刻展」三重県立美術館-柳原義達記念館
[主なグループ展]
1964年 「現代日本美術展」('68)
1967年 「第2回現代日本彫刻展」('75)
1970年 「今日の作家'70年展」横浜市民ギャラリー('88)
1982年 「神戸須磨離宮公園現代彫刻展」、「世田谷美術展」世田谷美術館
1988年 「現代作家シリーズ」神奈川県立県民ホールギャラリー
1994年 「スペースコンセプション展」埼玉県立近代美術館、愛知県美術館
1996年 「アイスランドと日本の美術」ノルディックハウス・レイキャヴィック
1997年 「緑の彫刻賞受賞記念展」倉吉博物館、鳥取
2006年 「闇に漕ぐ舟」ギャラリー山口、ギャラリー東京ユマニテ、東京
2010年 「探索者 -石井厚生退職記念展- 」多摩美術大学美術館 他