日本の戦後美術における、特異な展開をした東北のアートシーンで、実験的な作品の発表を続けた孤高の美術家、大宮政郎の展覧会。1993年に当館にて開催した企画展をもとに、新作を交えた約150点余を展示します。
このたび「大宮政郎展 呼吸する北異のマグマ」を開催いたします。
大宮政郎(1930-)は、戦後、東北の岩手のアートシーンにおいて、1960年代の前衛的な芸術活動を担った「集団N39」の中心的な人物であり、その後、現代における知覚の在り様の変化について「移動的視点による新たな美術活動」としての「人動説アート」を展開し、ドローイング、版画、立体、写真と多彩な表現を通じ、実験と思索を繰り返しながら制作を続けました。そして近年も、さらに深化した人動説として、時空を浮遊するイメージの「黄泉の国ドローイング」や沸々と鼓動するマグマのような綿による「北異の窓」シリーズなどの新作を制作しています。
本展では、その特異な詩情と好奇心に満ちた活動を続ける大宮政郎の表現世界を、初期から現在に至る約150 点に及ぶ作品群によって紹介いたします。
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■アーティスト・トーク
講師 大宮政郎(美術家)
聞き手 仙仁司(多摩美術大学美術館参与)
日程 7月31日(土)
時間 14:00-16:00
会場 多目的室
定員 100名
参加無料 当日受付