インドネシアの染織品は島々によって様々な技法や文様が伝えられています。本展ではイカットによる作品を主に紹介します。イカットとはマレー語に由来し「束」「結束」を意味し、絣織に用いる絣糸を防染するために「束にして縛る」、広く染色技法を指します。高度な技術が求められる経緯絣(たてよこかすり)“グリンシン”も出品予定。インドネシアの島々における多彩な染織の世界をお楽しみください。
インドネシアはアジア大陸の最南端であるマレー半島からオーストラリアにかかる海上に散在する約13,000の島々からなる群島国家です。300以上の民族による多民族国家であり、長い歴史をもつ染織文化は「染織品の宝庫」といわれ、多様で独自性に富んでいます。
日本において最も親しみがあるのはジャワ島とスマトラ島の一部で作られている染色品“バティック”ですが、実は他の島々においても絣織や縞織、絞、刺繍など様々な技法が用いられてきました。これらの染織に息づく文様は生活に親しい植物や動物、儀礼をあらわす伝統的なものを主にインドや中国など大陸から伝わってきたものや、また貿易によってヨーロッパからもたらされたものが調和し、独自の世界観を形作っています。インドネシアの島々における多彩な染織の世界をお楽しみください。
[関連イベント]
■インドネシア舞踊
日程 5月6日(火・祝)
時間 ①13:00-13:30
②15:30-16:00
出演 東京外国語大学インドネシア舞踊部
会場 展示室
参加無料
■学芸員によるギャラリートーク
日程 5月10日(土)
時間 13:00-13:30
会場 展示室
参加無料