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堀浩哉展

起源


会期   2014年10月18日(土)ー11月9日(日)
休館日  火曜日
開館時間 10:00ー18:00(入館は17:30まで)
入館料  無料

主催   多摩美術大学
企画   堀浩哉退職記念展実行委員会
協力   高松市美術館
     ミヅマアートギャラリー
     多摩美術大学油画研究室



2022/12/21

展覧会 / 開催終了





多摩美術大学油画専攻で教鞭をとってきた堀浩哉教授の作品展です。他会場の展示やオーラルヒストリーの出版とも連動しています。


堀浩哉は1947年富山県高岡市に生まれ、1967年に多摩美術大学に入学しました。その年に堀は仲間を募って「自己埋葬儀式」というパフォーマンスを銀座の路上で行い、美術家としての活動を開始しました。同じ時期に堀は演劇集団も主催して、演劇にも関わっていきました。さらに、60年代末の激動期にあって学生運動にも参加し、その中から美術の制度性を問い直す「美術家共闘会議(美共闘)」という運動体を立ち上げて、その議長としても活動しました。
1970年に学生運動の責任者として大学を除籍された堀ですが、2002年に出身である油画専攻に教授として招聘されました。以来13年間、「天職」と思えるくらいに教職に熱意を注ぎ込んできました。堀はそれまで教職の経験はありませんでしたが、かつての多摩美時代の師・斉藤義重から受けた薫陶が、堀の背中を押してくれたのかもしれません。本展はその退職記念展として企画されました。
堀が指導者として学生たちに強調したのはドローイングの重要性でした。それは堀自身が作品の展開の度に、集中的にドローイングを繰り返すことを弾機(バネ)としてきたという体験に裏打ちされたものでした。
本展では、60年代後半の堀の最初期の試行から始まり、各年代の様々なタイプのドローイングの試みを中心に展示しています。また70年代初頭の、堀の第一回と第二回の二つの個展を、今の視点で「読み直し」合体させたインスタレーション+パフォーマンスを、卒業生や学生とのコラボレーションによって実施します。
時代の証言ともなる資料展示も合わせ、堀浩哉が描き、作り、発信し続けた作品のそれぞれの「今」をあらわにし、その作家像に迫ります。


堀浩哉(ほり・こうさい)
1947年 富山県高岡市生まれ
1967年 多摩美術大学入学
1969年 「美共闘」(美術家共闘会議)を結成し、議長
1970年 多摩美術大学中退
2002年 多摩美術大学美術学部絵画学科教授
2010年 東京・秋葉原に多摩美術大学運営のオルタナティブ・スペース
    「アキバタマビ21」を開設し、プロデューサーを務める(2012年まで)

主なグループ展
1967年 自己埋葬儀式(銀座路上)
1969年 第9回現代日本美術展(東京都美術館、京都市美術館)
1975年 第10回ジャパン・アート・フェスティバル(上野の森美術館
     オーストラリア、ニュージーランド巡回)
1977年 第10回パリ青年ビエンナーレ(パリ市立近代美術館、フランス)
1980年 第1回ハラ・アニュアル`80年代への展望(原美術館、東京)
1984年 第41回ベニスビエンナーレ(イタリア)
1989年 ユーロパリア・ジャパン`89(ゲント現代美術館、ベルギー)
1992年 70年代日本の前衛(ボローニャ市立近代美術館、イタリア)
1995年 今日の日本(ルイジアナ近代美術館、デンマーク他巡回)
1997年 韓・中・日現代美術展(大邱文化センター、韓国)
1998年 釜山国際アートフェスティバル(釜山市立美術館、韓国)
1999年 グローバル・コンセプチュアリズム(クイーンズ美術館、アメリカ)
2001年 センチュリー・シティー(テート・モダン、イギリス)
2002年 開館記念・熊本国際美術展ATTITUDE(熊本市現代美術館)
2003年 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟)
2004年 四批評の交差(多摩美術大学美術館)
2006年 越後妻有アートトリエンナーレ(新潟)
2010年 中・日現代美術展(釜山市立美術館、韓国)
2011年 エルピスの空(TOKYO DESIGNERS WEEK2011、東京)
2012年 会津・漆の芸術祭-地の記憶 未来へ(会津若松市、喜多方市)
2013年 ミニマル/ポストミニマル-1970年代以降の絵画と彫刻(宇都宮美術館、栃木)

個展
1971年 スペース・ラブ・ヘアー(東京)で初個展
     以下70年代は東京の田村画廊、真木画廊を中心に、80年代以降は東京のギャラリー山口、村松画廊、ギャラリー上田他個展多数
1984年 ギャラリー ナンヌ・シュテルン(パリ、91年も)
1991年 国立国際美術館(大阪、「近作展」)
     目黒区美術館(東京、「目黒名画座」)
1996年 高岡市美術館(富山、04年も)
2000年 町立久万美術館(愛媛)
2008年 GALLERY A story(ソウル、釜山)
2010年 SPACE HONGJJE(ソウル)GALLERY604(釜山)
2011年 ミヅマアートギャラリー(東京)

また、「堀浩哉+堀えりぜ」のユニット(かつては畠中実を加えた「ユニット00」)でパフォーマンス、映像、サイトスペシフィックな作品などを発表している。



[関連イベント]
■講演「そして、堀浩哉」
講師  千葉成夫(美術評論家・中部大学教授)
日程  10月18日(土)
時間  14:30-16:00
会場  多目的室
参加無料

■対談「47年目の〈今、ここ〉から」
講師  椹木野衣(美術評論家・多摩美術大学美術学部教授)
    堀浩哉
日程  11月9日(日)
時間  14:00-15:30
会場  多目的室
参加無料

■公開授業
講師  蔵屋美香(東京国立近代美術館美術課長)
    堀浩哉
日程  11月6日(木)
時間  14:00-15:30
会場  展示室
対象  油画専攻3年生グループ3 / 他一般見学者
聴講自由

■パフォーマンス
パフォーマー 堀浩哉 + 多摩美術大学卒業生 or 学生
日程     会期中毎日
日程     16:00-16:30
       ※10月27日(月)は 15:00-15:30
会場     展示室