金属工芸の分野における鍛金の可能性に挑む野口裕史の業績を総覧し、また本学にて教育者として歩んできた40年間の軌跡を紹介する。野口が確立した鍛金技法による代表作《天空伝説》シリーズをはじめとして、精妙なる中小作品の数々を紹介。さらに、野口とともに多摩美術大学で金属工芸の分野を開拓してきた同僚や、卒業生たちの作品展示も同時に行う。
この度、多摩美術大学美術館では「野口裕史退職記念展 多摩美術大学金属工芸40年」を開催いたします。本展は、金属工芸の分野における鍛金の可能性に挑む野口裕史の業績を総覧する展覧会です。
ところで、私たちの身の周りには、鍋やヤカンなど実は鍛金の技術を応用して生み出されたものが、たくさんあることをご存知でしょうか。鍛金は、1枚の板を金槌でひたすら叩き、熱し、熔接する工程を繰り返しながら形づくる技術であるため、気の遠くなるような時間とすぐれた技巧が求められます。卓越した鍛金の技術を用いて生み出される、野口の風船のようにゆるやかな膨らみを持った作品の数々は、金属が硬いものであるという一般的な常識を瞬く間に覆すことでしょう。また本展では、野口が確立した鍛金技法による代表作《天空伝説》シリーズをはじめとして、精妙きわまりない中小作品の数々も紹介します。
さらに、野口とともに多摩美術大学で金属工芸の分野を開拓してきた同僚や、卒業生たちの作品展示も同時に行います。鍛金作家としての野口裕史のこれまでと現在、そして多摩美術大学で教育者として歩んできた40年間の軌跡をご堪能ください。
[出品作家]
野口裕史、伊藤廣利、安藤泉、藤田政利、小林光男、関井一夫、森山雅人、山田瑞子、中島凪、梶原史嗣、留守玲、糸賀英恵、澤田将哉、手銭吾郎、山口堅造、和田隆彦、山口みちよ、森山友理子、肥沼徹、嵯峨卓、中村真由美、小林秀幹、田中俊介、市岡真治、小山祥吾、長谷川創、加藤智大、齋藤典子、羽生直記、田中幹、浅井飛人、隈井純子、副島舎人、内田望、長谷川大祐、牧野永美子、金子未弥、芝田美樹、島内聡士、鈴木泰三、小宮貴裕
関連イベント
刊行物
野口裕史退職記念展 多摩美術大学金属工芸40年
- 多摩美術大学工芸学科金属プログラム研究室
- 2019
- 64ページ
- 縦高 260mm 横幅 210mm 厚み 6mm
- 一般 1,000円 (学生 500円)