半世紀にわたり町・都市を見つめてきた画家 藪野健(やぶの・けん 1943-)。 本展は、長年歩き描いた東京と東日本大震災前後に訪れた東北に注目し、水彩画とスケッチで土地の記憶と歴史を巡る。会期中にはギャラリートークや対談も開催。平成から新たな時代へ進む今、町・都市の感性や記憶に思いを馳せる。
時に変貌を遂げつつ一切を包み込み、場=トポスの記憶を刻む「町・都市」。
本展は、半世紀に渡り、画家 藪野健が歩き見つめてきた東京、そして東日本大震災の前後に巡った東北を舞台に、「町・都市」との対話に注目するもの。展示される300点超の水彩画・デッサンと絵地図には、建築文化へ向かう藪野の洞察と敬慕が溢れ、景色と人々との出会いに触発された感性が響き合う。これら作品群は画家を語り部とした「町・都市」の物語であり、フィールドワークによる考現学的成果であり、画家が自在に「時空」を往来した軌跡なのだ。平成から新しい時代へ進む今、本展が多くの方にとって「時空」を越えた出会い、そして様々な記憶へ思いを馳せる機会になれば幸いである。
藪野健(やぶのけん)
画家。早稲田大学栄誉フェロー、名誉教授。日本藝術院会員。二紀会副理事長。府中市美術館館長。
1943年名古屋生まれ。1969年早稲田大学大学院文学研究科美術史修了。1970~1971年、スペインのマドリード・サン・フェルナンド美術学校で学ぶ。安井賞展佳作賞。日本藝術院賞受賞。武蔵野美術大学教授、早稲田大学教授を経て現職。
関連イベント
刊行物
藪野 健 時空散歩 江戸東京、そして東北
- 多摩美術大学美術館
- 2019
- 120ページ+巻末付録
- 縦高 296mm 横幅 225mm 厚み 12mm
- 一般 2,000円 ※完売しました